BOXING

【黄金のミドル】石の拳(Hands of Stone)ロベルト・デュラン⑩(Roberto Duran)
シュガー・レイ・レナード戦Ⅲ!!1989.12.07
WBCスーパーミドル級タイトルマッチ!

ロベルト・デュラン①

ロベルト・デュラン➁レナード戦Ⅰ

ロベルト・デュラン③レナード戦Ⅱ

④ウイルフレド・ベニテス戦

⑤ホセ・ピピノ・クエバス戦

⑥3階級制覇!デビー・ムーア戦

⑦マービン・ハグラー戦

⑧トーマス・ハーンズ戦

黄金のミドル(中量級)とは?

1980年代のプロボクシングは、ウエルター級からミドル級の中量級のクラスに華のあるスーパースターが勢ぞろい、
その中心選手たちが1980年代を通し、リーグ戦のように対戦し、それぞれがビッグファイトとして世界中から大注目され大いに盛り上がった時代となっていました。
1970年代の人気の中心は、モハメド・アリのいたヘビー級、
そのアリが70年代後半に王座を陥落した以降、アリの王座を継いだラリー・ホームズに人気が無かったこともあり、時代は一気に「黄金のミドル(中量級)」に移行していきました。

その「黄金のミドル」時代を支えたビッグ4と称されるスーパースターが、
■ロベルト・デュラン
■トーマス・ハーンズ
■シュガー・レイ・レナード
■マービン・ハグラー
の4人です。
この4者4様、素晴らしい特徴を持つ4人が合いまみれ、80年代のプロボクシング界を席巻していきました。

ロベルト・デュラン(Roberto Duran)は1951年6月生まれ、パナマ出身。
1968年に16歳でプロデビュー、1972年WBA世界ライト級タイトルを獲得して以来1978年1月まで12回防衛(11KO)、次々と相手をKOする野性的なパンチは「石の拳(Hands of Stone)」と称され、ライト級では怪物的な強さを発揮、
12回めの防衛戦でWBCタイトルを統一、ライト級最強のまま王座を返上しウエルター級に転向、
黄金のミドルの覇権争いに参入し、ビッグファイトを多数展開、
ライト・ウエルター・ジュニアミドル・ミドルの4階級を制覇、通算戦績119戦103勝(70KO)16敗。

4階級制覇達成!!アイラン・バークレー戦!!

1984.6.15のハーンズ戦の後に引退表明していたロベルト・デュランでしたが、
1年半後にはリング復帰、8戦をこなした後、アイラン・バークレーの持つWBCミドル級タイトルに挑戦し判定勝ち。ライト・ウェルター・ジュニアミドルに続き4階級制覇を達成。

⑨アイラン・バークレー戦

シュガー・レイ・レナード戦Ⅲ!1989.12.07!

デュラン38歳、レナード33歳の戦いは、常識的に考えて全盛を過ぎていることは否定できない。
しかし、
アメリカンドリームの具現者vsラテンの英雄、
80年代の黄金のミドルのビッグ4リーグ戦の開幕戦となったカード、この因縁のカードは1勝1敗、歴史的にも、80年代の黄金期の締めくくりとして実現される運命があったのかもしれません。
試合に向けしっかりとコンディションを整えてきたデュランでしたが、戦前の予想ではレナード有利、ただ、デュランは「ノーマス」の汚名を晴らさなければならない、昔ほどのスピードがないレナードを接近戦に持ち込めれば何が起こるかわからない!

レナード1,300万ドル、デュランに800万ドルのファイトマネーが最低保障された、1980年代最後のスーパーファイト・・・、ボクシングファンも全盛時の力が無いことは十分承知の上、それでも第一戦のような力父からの激しいぶつかり合いを期待していた。
・・・結果として、それは裏切られてしまう。
レナードは、第二戦のような戦い、
デュランは、哀しいかなその動きについていけなかった。

80年代最後のスーパーファイトは、ボクシングファンを感激させることは無く、ヒーローたちの時代に幕を降ろすことを印象付ける意味で歴史的な一戦となりました。

「119-109」「116-111」「120-110」、一方的な採点で0-3でデュランの敗戦!

試合後のデュランは、「レナードはオレを打ちのめしていない!彼はファイトするためじゃなく、走るためにここに来たんじゃないのか?」と負けを認めたくない様子、しかしマネージャーは、「私たちは勝ったとは思っていない。」とデュランの言葉を打ち消していた。

デュランのこの後は?

「オレはまだ老けていない!」と試合後も語っていたデュランは、
1991年3月、40歳目前にリングに戻り、2001年7月、ヘクター・カマチョとの試合を最後に引退。
16歳でプロデビュー、21歳で世界タイトル奪った「石の拳(こぶし)」は、50歳まで闘い続けました!

ロベルト・デュラン(Roberto Duran)1951年6月16日生まれ、
通算戦績:119戦103勝(70KO)16敗

黄金のミドル、ロベルト・デュラン編終了。

黄金のミドル、トーマス・ハーンズ編はコチラから!