ロベルト・デュラン①
ロベルト・デュラン➁レナード戦Ⅰ
ロベルト・デュラン③レナード戦Ⅱ
④ウイルフレド・ベニテス戦
⑤ホセ・ピピノ・クエバス戦
目次
黄金のミドル（中量級）とは？
1980年代のプロボクシングは、ウエルター級からミドル級の中量級のクラスに華のあるスーパースターが勢ぞろい、
その中心選手たちが1980年代を通し、リーグ戦のように対戦し、それぞれがビッグファイトとして世界中から大注目され大いに盛り上がった時代となっていました。
1970年代の人気の中心は、モハメド・アリのいたヘビー級、
そのアリが70年代後半に王座を陥落した以降、アリの王座を継いだラリー・ホームズに人気が無かったこともあり、時代は一気に「黄金のミドル（中量級）」に移行していきました。
その「黄金のミドル」時代を支えたビッグ4と称されるスーパースターが、
■ロベルト・デュラン
■トーマス・ハーンズ
■シュガー・レイ・レナード
■マービン・ハグラー
の4人です。
この4者4様、素晴らしい特徴を持つ4人が合いまみれ、80年代のプロボクシング界を席巻していきました。
ロベルト・デュラン（Roberto Duran）は1951年6月生まれ、パナマ出身。
1968年に16歳でプロデビュー、1972年WBA世界ライト級タイトルを獲得して以来1978年1月まで12回防衛（11KO）、次々と相手をKOする野性的なパンチは「石の拳（Hands of Stone）」と称され、ライト級では怪物的な強さを発揮、
12回めの防衛戦でWBCタイトルを統一、ライト級最強のまま王座を返上しウエルター級に転向、
黄金のミドルの覇権争いに参入し、ビッグファイトを多数展開、
ライト・ウエルター・ジュニアミドル・ミドルの4階級を制覇、通算戦績119戦103勝（70KO）16敗。
ホセ・ピピノ・クエバス戦
ロベルト・デュランは、レナード第2戦で試合放棄、ベニテスのＪ・ミドルへの挑戦で敗戦、再起戦で判定負け、再起第2戦は勝ちはしたが倒すことが出来ず・・・、ふがいない試合が続くと周囲からは「引退」が噂されるように・・・。
1983.1.29、引退の噂を払拭するため、さらに、世界王座に返り咲くために、
元WBAウェルター級王者、ホセ・ピピノ・クエバスと対戦、
ジュニアミドル級チャンピオンのデビー・ムーアへの挑戦権をかけた大事な試合を4RTKOで勝利！
ビッグネームではあるが、肩の負傷で1年2ヶ月リングから遠ざかっていたクエバスを相手の勝利は、
「復活」というよりは、「生き残った！」という印象。
次戦、本当の復活をかけ、デビー・ムーアと戦うことになります。
WBAジュニアミドル級タイトルマッチ！1983.6.16
「ノー・マス！（もうたくさんだ！）」とレナード戦で試合放棄し王座陥落したデュランは、ボクシングファンから信用も期待も失ってしまった。ベニテスに敗れた後に無名選手にまで負け、多くのファンはデュランの引退を容認していたであろう。
だが「もう一度チャンピオンになりたかった」デュランは、最後のチャンスに賭け、体調を整え、かつてないほどのトレーニングに身を入れた結果、クエバスを倒しタイトル挑戦権を獲得！
復活を賭けるデュランの姿を見るために、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンに20,000人の観客が集まり試合開始！
24歳のチャンピオンに対しデュランは32歳、身長・リーチ、体格に劣るデュランだが、上手く接近しボディにパンチを集める、テクニックで優るデュランは、ボディ攻撃から顔面への連打もヒット、ムーアは対格差を活かすことが出来ずデュランの距離で戦うことに、
デュランのボディ攻撃が効果的で顔面への石の拳もよく当たり、5回にはムーアの右まぶたは腫れ、徐々に動きも鈍くなってきます。
7回には勝利を確信したであろうデュランは、次々にパンチを当てながらKOパンチを選んでいるような落ち着いた試合運び、ついに終了間際に強烈な右フックでダウンを奪う、ムーアが何とかカウント7で立ったところでラウンド終了したが、何故かデュランは相手コーナーのイスに座り、慌てたセコンドが自コーナーに連れ戻す、
8回はデュランがメッタ打ち、戦意喪失状態のチャンピオンは打たれ続けセコンドがタオル投入、
8R2分2秒、デュランがTKO勝ち、ライト・ウェルターに続く3階級目のタイトルを獲得。
王座陥落したデビー・ムーアは、1959年6月生まれ、アマチュア戦績102戦96勝、モスクワ五輪のアメリカ代表資格を獲得したがボイコットのため出場に至らず、
プロデビュー9戦目に三原正を破り、WBAジュニアミドル（スーパーウェルター）級タイトル獲得、デュラン戦は4度目の防衛戦でした。プロ戦績：23戦18勝(14KO)5敗、1988年6月に自動車事故により逝去。
デュランのこの後は？
デビームーア戦で勝利し3階級制覇を達成したデュランは、
同年11月10日、ミドル級統一チャンピオンのマービン・ハグラーに挑戦します。
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