BOXING

【黄金のミドル】トーマス・ハーンズ①(Thomas Hearns)
世界タイトル奪取!1980.08.02
ホセ・ピピノ・クエバス戦
WBC世界ウエルター級

トーマス・ハーンズ(Thomas Hearns)とは?

トーマス・ハーンズ(1958年10月生まれ)は、
1980年代に世界プロボクシング界を席巻した「黄金のミドル」の一角であり、史上初の5階級制覇を達成したレジェンド。プロ戦績は、67戦61勝(48KO)5敗1分け。
1977年11/25(19歳)にプロデビュー、2006年2/4(47歳)が最後の試合、10RTKO勝ち。
その間の世界戦は19戦14勝4敗1分け(マイナー王座は除く)。
獲得タイトルは、
■第10代WBA世界ウェルター級王座(1980/8/2、ホセ・ピピノ・クエバスから奪取)
■第18代WBC世界スーパーウェルター級王座(1982/12/3、ウイルフレッド・ベニテスから奪取)
■第17代WBC世界ミドル級王座(1987/10/29、フアン・ドミンゴ・ロルダンとの王座決定戦)
■初代WBO世界スーパーミドル級王座(1988/11/4、ジェームズ・キンチェンとの王座決定戦)
■第15代WBC世界ライトヘビー級王座(1987/3/7、デニス・アンドリュースから奪取)
■第17代WBA世界ライトヘビー級王座(1991/6/3、バージル・ヒルから奪取)

デトロイト・スタイル

ハーンズのファイトスタイルは、
デトロイト・スタイルという構え、ヒットマン・スタイルとも言われます。
前の腕をだらりとさげ、後ろ側の拳をあごの前にもってた構えから、
前腕を下方からムチのように突き上げるように打つスタイル。
マンガの「はじめの一歩」の登場人物である間柴のファイトスタイル、あのまんまのイメージです。長いリーチから繰り出されるフリッカージャブからマシンガンのように繰り出されるラッシュで、「ヒットマン・ハーンズ」と恐れられていました。
スピードある攻撃で相手に襲いかかるが、打たれ弱い一面も・・・。まさに、間柴のようです。

World War II(1980年8月2日・デトロイト)
WBA世界ウエルター級タイトル獲得!

トーマス・ハーンズの世界タイトル初挑戦は、WBA世界ウエルター級タイトルマッチ、
「World War II(第2次世界大戦)」と称され、大々的な興行として開催されました。
1980年8/2、デトロイトで、
セミ・ファイナルにはヘビー級の人気カード(ノンタイトル)、さらにその前座として、世界タイトルマッチ2試合が開催というビッグイベントです。
ちなみに、その世界戦のひとつが、
WBAジュニア・ライト級を10回防衛中のサムエル・セラノを6回KOで倒しタイトルを獲得した上原康恒戦でした!

引用:worthpoint.com

そして、なぜ 「World War II(第2次世界大戦)」 かというと、
この年の6/20に開催された、
WBCのウエルター級のチャンピオンのシュガー・レイ・レナードの初防衛戦、
石の拳ロベルト・デュラン戦、
この2人のスーパースターの対戦が 「World War(世界大戦)」と称されたイベントだったことをもじっています。

ホセ・ピピノ・クエバス(Jose Pipino Cuevas)

ハーンズが世界初挑戦したチャンピオンもスーパースター、
ホセ・ピピノ・クエバスは、1957年生まれメキシコ出身、18歳で獲得したタイトルを11回防衛中、その強力なパンチで挑戦者のアゴの骨を砕き「アゴ割りパンチャー」の異名を取ったウェルター級史上屈指の強打者。
12回目の防衛戦は、相手が悪すぎた。
最強と言われていたチャンピオンだったが、173cmのクエバスに対し、ハーンズは185cm、体つきの違いからリーチ差はとんでもなく大きすぎました。
クエバスの強打であるアゴ割りパンチもハーンズには届かず、ハーンズの距離のあるジャブが顔面をとらえ、スピーディなワンツーでクエバスを攻め立てる。
試合は、2ラウンド2分39秒、一方的にパンチを当て続けたハーンズがTKO勝ち。

敗れたクエバスは、この後世界戦に挑むことなく、1989/09/25に2RでKO負けした試合を最後に引退、
プロ戦績は、50戦35勝(31KO)15敗、シュガー・レイ・レナードが対戦を嫌がったチャンピオン、
クエバスが挑戦を受ける相手がハーンズではなく、レナードだったら、歴史が変わっていたかもしれません。

ハーンズ世界タイトル1階級め


以降、史上初の4階級制覇、さらに、史上初の5階級制覇を成し遂げるトーマス・ハーンズ、
プロデビュー以来28連勝、29戦目の「World War II」でホセ・ピピノ・クエバスを倒しウエルター級を制覇、このタイトルを3度すべてKO防衛し、次戦、WBC同級チャンピオンのシュガー・レイ・レナードとの統一戦を迎えます。

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